貸切バスを運転するドライバー（未経験者）

いずれも日帰りできる近県エリアを中心としているので、泊まり勤務は少なく長時間の運転はほとんどありません。シフトの融通も利きやすく、今回インタビューした藤元さん・井川さんふたりとも、口をそろえて「運転好きには天職」と話してくれました。

藤元「私は入社14年目で、前職では車の修理の仕事に就いていました。」
井川「私は路線バスのほか、ダンプの運転手でした。バス事業はコロナ禍で仕事が激減してしまい、一度は離れたものの「やっぱりバスが好き」という思いが捨てきれなくて戻ってきたんです。路線バスのように時間に追われてイライラせず、ダンプみたいに長時間休憩なしで乗りっぱなしもないのはありがたいですね。」

井川「学校行事や部活・サークル、企業研修の集まりの送迎のほか、町内会や老人会でのバスツアーなど観光ツアー運行も行っています。岡山県内や近県エリアが中心で、日帰りできる近距離の運行が多いですね。シフト制勤務のため、休みと勤務日は融通が利きます。休憩や待機時間が多いため、体への負担も少ないと思いますよ。」

藤元「運転する車両は小型（マイクロ）・中型・大型まであり、お客さんを乗せるので二種免許が必要です。取得に際しては会社負担も可能で、5年以上の勤務で返済不要になります。バスの運転が初めての人は独自の研修システムが用意され、小型から大型へと少しずつステップアップしていきます。実は弊社に入社する社員の9割は未経験・無資格なのでご安心ください。」

藤元「入社したら、まずは理念研修や安全教育を受講します。2週間ほど教習所に通い合格したら、本社にて授業を10時間受けてから約1ヵ月間の実地研修へと移ります。小型・中型・大型をそれぞれ20時間ずつ教習運転し、その後先輩ドライバーの同席・同行を経ていよいよ実践デビューを迎えます。そのとき、報告書類の書き方やバスの点検、運転前の確認作業に突発的な対応力、接客とコミュニケーション・マナーといった項目をクリアする必要があります。」

井川「やはり道を覚えるのには苦労しますね。カーナビは付いていますが、大型バスが通れる道ばかりではありません。間違えたら大変なので、あらかじめ地図を確認したり先輩に聞いたりして予習しておきます。あとは無線とGPSを使い、事務所がリアルタイムにサポートしてくれる体制は整っています。」

井川「普通自動車に乗れるのであれば、1ヵ月も運転したら感覚をつかめると思いますよ。想像していたより大きいと感じる人もいるようですが…。トラックと比べると座席が低いので、お客さんを乗せたときの重心の低さにとまどうかもしれませんね。」

藤元「路線バスと違い、いろいろな場所に行けるのは気分が変わって面白いですね。お客さんの顔ぶれも毎回変化があり、たくさんの人と直接かかわれるのは魅力です。特に観光ツアーの運行は、思い出に残る旅のお手伝いができるすばらしい仕事だと思います。後日、お子さんから『運転手さんありがとう』と手紙をいただくと、楽しい時間を提供できてよかったと心からうれしくなります。」

藤元「高額の月収も夢ではない仕事ですが、お金のためだけではダメだと思います。何よりも、車が好き、運転が好きな人でないと続かないのではないかな。」
井川「やればやるほど楽しい仕事だと実感しますよ。一見ハードルが高そうだけど、挑戦しがいのある仕事です。プロドライバーとしての誇りを持ち、「真の旅のプロ」を目指して一緒に頑張りましょう！」