ティーツーケー株式会社

【事業内容】
ネットショップや通信販売、ECサイトを物流から支える発送代行業を主軸に、受注・在庫管理システムの提案やオリジナル名入れ商品の企画・販売、物流資材の制作、配送業など多彩な付随業務を展開する。顧客や社員の幸せづくりはもちろん、SDGsに代表される環境への取り組みを通じた社会貢献にも積極的だ。
【インタビュー記事】

「僕は昔、大手運送会社の系列である印刷会社で営業職をしていました。そのときのお客さんが廃業することになり、『仕事の受け入れ先がなくて困っている』と話を持ちかけられたのが始まりですね。もともと人の下で働くのではなく、自分が仕組みを作る側になって経営してみたい気持ちを持っていました。

それで思いきって脱サラし、2006年・27歳のときに挑戦してみることに。今後はきっとインターネット販売が主流になると考えていたので、これも縁だと思い引き受けたんです。これまでに何度か大きな危機はありましたが、なんとか乗り越えて18年やってこれました。」

「『ティーツーケー株式会社』では、ネットショップや通信販売、ECサイトで製品の販売をしている事業社主さんを物流の面からサポートしています。いわゆる入荷から管理、保管、梱包、出荷を含む『発送代行』を中心に、受注・在庫管理システムの提案や物流資材の制作、配送業などの付随業務を多岐にわたり展開。

そのほか、オリジナル名入れ商品の企画・販売を手がける自社ECサイトも運営しています。これは収益の確保に加え、ネット販売のノウハウを蓄積して顧客に還元する意味でも役立てるためですね。」

「起業した18年前は、Amazonも楽天市場もまだマイナーな時代でした。ほとんどの事業主さんが発送業務を内製化しており、アウトソーシングもしていなかった。弊社はいち早く参入し、お客さんがみずから倉庫を持つ必要がないので重宝されています。

具体的な強みとしては、まず運賃をはじめ梱包作業や納品書の同梱、資材にピッキングまでコミコミ価格だという点。そして最大の武器が、柔軟な対応力です。スポット可、1点からでもOK、土日・祝日でも全国に当日発送できる、小物雑貨から大型商品までカバー、各種モールへの配送やクラウドファンディングとの連携にいたるまで、要望に合わせてお応えします。」

「ええ、自動で送り状の貼り付けと梱包が可能な自動梱包機や名入れ加工に使う彫刻機、各種レーザー機にオンデマンド箔押し機のほか、トラックやフォークリフトも取りそろえました。オプションとしては、温度管理が必要な商品の取り扱いや出品時の撮影・出品代行、チャーター便による運送、検品作業、コンテナ積み下ろしに海外への出荷、メッセージカードやギフトラッピング、名入れ・ロゴ入れ、パンツのすそ上げ・タグ付け、受注管理…。物流に関するあらゆるニーズに対応し、頼りにされるパートナーを目指しています。」

「多彩な業務を担うことで付加価値を高めるとともに、単価のアップにもつながります。さらに、年間を通した業務の平準化にも貢献できて一石二鳥ですね。おかげでこれまで、ほとんど営業することなく口コミと紹介だけで広がってきました。現在は全国に約40社の顧客を抱えています。」

「『発送代行』という単なる下請けから、提案型の流通コンサルのような立ち位置を確立していきたいと考えています。コロナ禍でネット購入や通信販売が拡大し、小売店や卸業者を通さないBtoCのルート中心の時代がやってくるでしょうからね。デジタル社会化もあいまって、ますます流通や発送代行が求められるようになります。将来性が期待できる業界でもありますから、社会的に必要とされる企業を目標に精進したいですね。」

「環境省が策定した日本独自の環境マネジメントシステム『エコアクション21』の認証を、2019年に取得しました。複数の企業の物流を集約させてCO2を削減するほか、梱包の工夫により廃棄物のカットとリユースを推進。多様性を尊重した社員雇用を行い、持続的成長が可能な職場環境づくりや健康経営をすることもひとつの方法ですね。これらはすべて、企業としての社会的責任であり重要課題だととらえています。」

【ライター後記】
個人レベルでも気軽にネットショップが開ける昨今、副業で取り組む人もめずらしくないのだとか。「ティーツーケー株式会社」では小ロットからでも発送代行を受けてくれ、多くの販売事業主にとって強い味方になっています。

コロナ禍でも需要高まるいっぽうの物流業界。それを支え、今後も伸びていくであろう期待感が栗山社長の言葉にあふれています。成長企業が持つ勢い、活気ある雰囲気を存分に感じられるインタビューでした。