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社長インタビュー
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価値を高めて差別化図り、目指すは胆力ある会社

有限会社 金光シェル工業

代表取締役 堀 正洋

中学時代から吹奏楽をたしなみ、今でも40名規模の社会人バンドに所属している堀社長。毎週末の練習を楽しみにしており、トロンボーンを吹いているときは仕事を忘れて没頭。よいリフレッシュと気分転換につながっているそう。

【事業内容】
私たちの生活に欠かせない「鋳造」の技術を発揮し、農業機械・建設機械・自動車などの部品に使う「型」である鋳造用シェル中子を製造。納品先はいわゆる鋳物屋さんで、エリアは中四国・山陰にまたがる。2008年には「シェルモールドの組立」のテーマで岡山県の経営革新企業の承認を受け、ニーズに応えて難度の高い依頼もこなす。

読み方
*鋳造:ちゅうぞう
*鋳物:いもの
*鋳型:いがた
*中子:なかご
【インタビュー記事】
「有限会社金光シェル工業」の堀社長にお話をうかがいます。最初に、御社の事業内容に関して教えてください。

「弊社は50年の歴史を持ち、鋳型の製造を専門に手がけています。『岡山県鋳物中子工業会』に所属しており、2008年には「シェルモールドの組立」のテーマで岡山県の経営革新企業の承認を受けるなど業界ではある程度知られた存在かなと思います。」
取引先にはどのような会社さんがあるのですか。『シェルモールド』というのも初耳です…。

「納品先となるのは鋳造工場が中心で、有名な会社も多くあります。鋳物といえば造船や大型トラックなどが知られていますが、ここでは『シェル中子』と呼ばれる小型の農業機械部品や建設機械部品、自動車部品などを対象とした鋳型を作っています。

これは1400℃もの高温で熱した型に鉄を流し込み固め、完成品である鋳物の内部にある複雑な空間を形づくるためのもの。鍛造(たんぞう)よりも自由度が高く、金型とは異なり1個の製品を製造するのに1個のシェル中子が必要とされます。」
シェル中子にはどういったメリットがあるのですか。

「シェルモールド鋳造には特殊な砂である『レジンコーテッドサンド(RCS)』を使い、『垂直割』という手法で製造しています。イニシャルコストはかかりますが木型よりも大量生産に向いており、それでいて寸法精度が高いのが特長。ただこれには特別な設備を必要とするため、初期投資がかかることから対応できる会社は限られています。」
ということは、裏を返せば御社が選ばれる理由にもなりうるわけですね。ほかに堀社長が考える「強み」はありますか。

「先ほどあげた設備や技術力に加え、『ジャストインタイム』にもとづく納期対応力が自慢だと思っています。これは、製造部が『製造班』とパート勤務の女性が中心に所属する『仕上げ班』に分かれているからこそ。生産された製品において重要かつ時間がかかるバリ取りのほか、組み立てや目視検査などを仕上げ班にバトンタッチ。こうして効率的でスピーディな納品を可能にしているのです。」
2016年には本社工場も移転されて、生産体制をさらに強化されたそうですね。ハード面だけでなく、ソフト面ではいかがでしょうか。

「事務のスタッフにも、お客さんとのやり取りは感じよくするよう徹底しています。コミュニケーションの密度、レスポンスの速さも満足度を高める要因だと考えていますから。

そこから製造部へと的確に情報共有しており、リアルな要望や意見も細やかに吸収。こういった積み重ねが信頼を作り、おかげで岡山県内はもとより県外の鋳造工業さんからも数多くの依頼をいただけるようになりました。」
なるほど、営業せず紹介中心で広げていった背景には地道な努力があったのですね! 
今後はどのような会社を目指していきたいとお考えですか。

「製品の多くを占める自動車産業に関しては、EV化の流れを受けて少しずつ減少すると思っています。対策としては製造ジャンルや品目を拡大すること、複雑になっているニーズに応えて付加価値を高めることが急務。品質はキープしながら、他社との差別化に工夫をしないといけないですね。いずれにしても、依頼してくれるお客さまの要望一つひとつに寄り添う姿勢が求められます。

規模を大きくするというよりは、既存の設備や人員を活用して生産性を上げるイメージですね。しっかり基盤を固め、足腰の強い会社づくりをしたいと考えています。」
そのためには人材の育成や確保も大切かと思いますが、御社で行っている「働き方改革」があれば教えてください。

「鋳造用の鋳型を作るわけですから、工場内はとにかく暑いのがネックでした。そこで社員たちが少しでも快適に働けるよう、おもに熱対策で作業環境の改善を行っています。昨年には換気扇をはじめ空調を整備し、エアーをつなげて涼しく。今年は200万円を投じて天井に換気扇を設置、熱を逃すことで風通しをよくする工夫をしています。」
ありがとうございます。最後に、求職者の方に向けたメッセージをお願いいたします。

「『シェル中子』とはなんぞや、という人ばかりだと思いますが、業界経験も知識も製造経験すらもいっさい必要ありません。やる気さえあれば大歓迎なので、ぜひ気軽に応募してみてくださいね。やさしい先輩がていねいに指導してくれると思いますよ。」

堀社長、ありがとうございました。御社のさらなる発展を、心よりお祈り申し上げております。
【ライター後記】
恥ずかしながら『シェル中子』なる存在を初めて知ったのですが、概要から仕組み、作り方、メリットまで詳しく、そして熱を込めて語ってくれた堀社長。先代の会長から継いだ会社ではありながら、事業についてとても真摯に取り組んでいる様子がうかがえました。

「既存のリソースを有効活用し、足腰の強い会社を育てたい」と語るとおり、今後も付加価値の構築や差別化に積極的。その熱い気持ちに共感し、サポートしてくれる新戦力の登場に期待をのぞかせていました。
(インタビュー 2022/9/16 Goen編集部)

会社概要

会社名
有限会社 金光シェル工業
設立年月
1973年10月
代表取締役
堀 正洋
社員数(役員含む)
23名 2022/8/31 現在
平均年齢
38.6歳2022/8/31 現在
事業内容
鋳造工場向けシェル中子の製造
本社所在地
岡山県倉敷市玉島黒崎新町12-5
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