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社長インタビュー
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派手さはなくとも信用を重ね、日常を支えたい

株式会社川上鉄工所

専務取締役 川上 朋弘

高校、大学とサッカー部でサイドバックを務め、体力自慢の川上専務。今も岡山マラソンなどに積極的に出場しており、フルマラソンで4時間30分の記録を誇る。スポーツを通じてあきらめない気持ち、根性を学んだといい、その姿勢は仕事にも生かされているそう。

【事業内容】
創業から89年を迎える熱間鍛造専門メーカー。おもに自動車部品の重要保安部品を製造してきた実績を持ち、一般的に使われる鋼やステンレス、チタンを対象に型打ち鍛造とフリー鍛造の両方に対応する。鍛造関連の資格保持者のほか、県内の業界で唯一「岡山マイスター」が在籍。
まず最初に、『株式会社川上鉄工所』の歴史や事業内容について教えてください。

「もともと大阪で創業し戦後に岡山へ移転して、90年近く熱間鍛造専門メーカーとしてやってきました。自動車部品や農業機械、建設機械に使われるシャフトやギアを得意としており、ステンレスやチタンを含む金属材料はすべて加工対象です。」
「熱間鍛造」という言葉になじみがない方もいると思うのですが、これはどういった技術なのですか?

「金属を赤くなるほど加熱し柔らかい状態にしたうえで、エアーの力を使ったハンマーで圧力をかけて成形する加工法を指します。鍛造加工のメリットは耐久性が高いことやコストが抑えられ効率がよくなること、それでいて後加工不要な精度も確保できることなどがあげられます。」
御社ではどのような鍛造を行っているのでしょうか。

「鍛造には金敷とハンマーで自由に材料を成形する『フリー鍛造』と、製品の形が彫刻された上下ひと組の金型を使う『型打ち鍛造』の2種類があります。

前者は昔ながらの鍛造法で職人の技量が製品の精度に直結する手法でしたが、現代では機械ハンマーを取り入れブレが少なくなりました。つぶす、曲げる、伸ばすと基本的にすべて手作業のため初期投資があまりかからず、複雑な形状の多品種少量生産や大型鍛造品にも対応可能です。

後者は同形状の製品をたくさん作るのにぴったりの生産効率が高いやり方ですね。」

シャフトやギアなどの部品を中心に製造されているそうですが、機械にとってはどのような役割を持つのでしょうか。

「わかりやすく人間に例えると、心臓にあたるのがエネルギーを発するエンジン。エネルギーを動力に換えるトランスミッションが筋肉。そしてその力をタイヤに伝えるための役割を担うのがギアやシャフトです。」
つまり機械が動くのに重要な基幹部品ということですね。納入先の対象にはどういった業種があるのですか。

「昔は大手中心に自動車メーカーがほとんどを占めていましたが、今は農業機械や工作機械などのシェアが4割ほどに増えました。リーマンショックや自動車業界の不況を経験し、安定性を高めるために対象業界を広げシフトしていったんです。」

なるほど、業界での生き残りをかけたリスクヘッジですね。ほかに御社の強みはどういった部分にありますか。

「自社で金型を製作しているので、短納期の設計変更や突発注文にも対応できる点でしょうね。予備成形によって業界でも屈指の歩留まりを達成し、コストダウンしながら環境にもやさしいのが特徴です。経済産業省の支援事業に採択され、その事業で新技術『スマート鍛造プロセス』を開発。自分たちの技術と知識を高め続けています。」
素晴らしい技術力です! 社員さんひとりひとりのレベルが高いのでしょうね。

「弊社には熱処理技能士や機械加工技能士のほか、国家資格である鍛造技能士を取得したハンマーマンが8名在籍しています。また、県がものづくりを支える基盤的技術分野で優れた技術者を認定する『岡山マイスター』を有した県内唯一の鍛造メーカーでもあります。

資格の取得は会社がサポートしますし、もちろん評価にも反映されます。責任あるポジションをまかせることは社員のモチベーションにもつながりますね。」
スキルアップや資格取得は求職者の方にとっても魅力ですね。どんな人に入社してもらいたいとお考えですか。

「経験問わず、単純にものづくりが好きと思える人がいいですね。在籍している転職組の社員も製造業から来た人が多いので、みんなものづくりが好きなんだと思います。」

ものづくりや鍛造の魅力ってどんなところにありますか。

「作るプロセス、完成したものが目に見えることでしょうね。鍛造なら、ただの鉄が加熱と叩きによってだんだん変化していくさま。それを自分の手と体でできるのは面白いと思います。しかもうちでは鉄のブロックから納品の状態になるまで携わることができるので、そのやりがいもひとしおです。」
仕事の魅力に加え、この会社ならではのいいところを教えてください。

「社員一人ひとりの個性を尊重し、適性を見極めて伸ばすことを大事にしています。仕事は鍛造だけではなく、溶接や加工、熱処理と幅広いので、きっと自分に合った仕事を見つけられると思いますよ。」

「人を見る目」を持つ社長がいるからこそ、みなさん会社に愛着を感じて長く働けるのでしょうね。

「弊社は3年前の西日本豪雨災害で被災しました。2メートルくらい浸水し、隣の工場は大爆発…。8か月もの期間にわたり操業がストップしてしまったんです。復活を果たせたのはひとえに、辞めずに頑張ってくれた社員たちのおかげ。

また、ボランティアで助けてくれたお客さんたちに感謝しています。私たちの仕事は表からは見えづらいので、本当に必要とされているのかが分からなくなってしまいがち。被災をきっかけに、誰かの役に立ってよろこんでもらっている存在価値を再認識できました。

すべて『当たり前の日常』を支えるために90年近く積み重ねてきた信用があったからこそだと痛感しています。これからもそれを真摯に続けていく企業でありたいですね。」


川上専務、ありがとうございました。御社のさらなる発展を、心よりお祈り申し上げております。
【ライター後記】
熱間鍛造というワードにはなじみがなくとも、人間でいうところの「筋肉」の一部にあたるパーツを作っていると聞けばイメージしやすいかもしれません。川上専務のお話からは、表舞台を支える黒子のようにただ誠実にものづくりをしてきた誇りを感じます。

平成30年西日本豪雨災害を受けてなお復活を果たせたのも、今日までの日々を積み重ねてきたからこそ。技術力の高さとともに、信用の厚さもひしひしと伝わってくるひとときでした。
(インタビュー 2021/8/23 Goen編集部)

会社概要

会社名
株式会社川上鉄工所
設立年月
1945年6月
代表取締役
川上 陽亮
社員数(役員含む)
41名 2021/8/31 現在
平均年齢
42歳2021/8/31 現在
事業内容
熱間精密型鍛造品の製造
本社所在地
岡山県総社市下原1489
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